遺言書を自分で書く場合の注意点

司法書士山本宣行のコラムです。
ご相談者の皆さまが疑問に思われるような法律手続きのお話しや普段聞き慣れない法律用語など身近な法律問題を取り上げて解説致します。

自筆証書遺言の作成にあたって

自分の亡き後に、良く世話をしてくれた特定の人(長男の妻、内縁の妻など)に財産を残したい場合や不動産などの特定財産は指定した親族(同居している子供など)に残したい場合には遺言書を作成しておく必要があります。
その他にも再婚などで先妻や先夫との間に子供がいる場合など相続人関係が複雑なケースでも相続発生後に揉めないように遺言を作成しておくといいでしょう。
遺言書には大きく分けると公正証書で作成する公正証書遺言と自分で書く自筆証書遺言があります。
確実に公正証書で遺言を作成する方法が間違いありませんが、万が一に備えてとりあえずは簡単に自分で遺言書を作成してみようと検討されている方もいらっしゃると思います。
紙とペンと意思があれば簡単に作れますし費用もかからないため、メリットがありそうですが、注意点もいくつかあります。
相続発生後に有効な遺言書として相続手続きでスムースに使用出来なければ故人の想いが届かないうえに相続人が困ってしまいます。
そこで遺言書を自分で作成する場合の注意点や知っておくべき最低限の内容を説明をしていきたいと思います。

自筆遺言を作成する場合の注意事項

自分で遺言書を作成する場合に上述したとおり、紙とペンがあれば簡単に作成できてしまいますが、民法で決められた必要最低限の要件を満たしていないと無効となってしまいますので下記に注意事項を挙げてみます。

注意事項①パソコンで入力したり他人や親族に代筆などさせないようにする。

特に遺言の無効が争われる場合には他の相続人が本人の意思で書いていないとの主張をされることもあり、身体が不自由で代筆が必要な場合には公証人や証人が立ち会う公正証書で遺言書を作成された方が確実となります。

注意事項②日付の記載を正確に行いあいまいな日付の記載をしないようにする。

例えば月の記載のみで「日にち」の記載漏れがあったり、存在しない日にち(例えば2月31日や吉日)を誤って記載しないように注意しましょう。

注意事項③氏名や押印に注意する。

特定出来ればペンネームなどでも良いとされていますが、相続手続きの際には混乱を招き手続きがスムースにいかなくなる可能性が高くなりますので漢字も正確に記載し生年月日や住所も加えて第三者が見たときに本人であると特定できるようにしておいた方がいいでしょう。
ハンコに関しても認印で良いとされていますが本人が書いた遺言書と判断しやすいように実印で押印するのが好ましいでしょう。
また拇印で押される方もいるようですがトラブルを避けるため止めておいた方がいいでしょう。

注意事項④財産を残す相手の氏名や財産の記載に注意する。

注意事項③でも記載しましたように人物や財産などの物件が特定出来なければ、たとえ遺言書の要件が有効であったとしても相続手続きにはスムースにいかず手続きに支障をきたすおそれがあります。
特に不動産は住所とは違い地番表記となるため、抽象的な記載文言の遺言書の場合は法務局で不動産の名義変更による登記手続きが上手く出来ない場合もあります。
法務局で登記簿をとり正確な地番や家屋番号で記載することが重要となります。
親族から見ればどの財産がなんとなく分かっていても第三者から見ると多くの解釈がなされ財産を特定できないケースも多くあり、結局改めて相続人全員の同意が必要となってしまうこともあります。
財産をあげたい相手の氏名もしっかり特定できるよう氏名以外に生年月日や本人との続柄なども記載しておいた方がいいでしょう。

注意事項⑤文字の訂正などに注意する。

文字の訂正がある場合には塗りつぶしたりしないで線で消し加除変更した場所に遺言書と同じハンコで訂正印を押印するようにしないと無効となる可能性もあるため注意が必要です。
訂正箇所が多い場合は改めて書き直した方が間違いないでしょう。

自筆遺言は相続発生後に家庭裁判所への手続きがある

公正証書で作成する遺言書の場合は必要ありませんが、直筆の自筆証書遺言の場合には、相続発生後に相続人が家庭裁判所へ検認手続を行わなければなりません。
この検認手続きを行わないと相続手続きで使用することができません。
家庭裁判所への検認の申立てにあたっては、まず故人の出生~死亡までの全ての戸籍と法定相続人全員の戸籍や住民票を集めて申立書とともに提出することになります。
また申し立てをすると家庭裁判所から相続人全員に遺言書がある旨の通知がいくため事前に相続人同士の話し合いが必要になることもあります。
この検認手続きでは遺言書の要件が形式的に満たしているかどうかをチェックするだけなので、遺言の有効性や内容の正否に関して後から他の相続人や利害関係人などから遺言の無効を争われるリスクもあります。

遺留分に注意しましょう

自筆証書遺言と公正証書遺言どちらで作成しても兄弟姉妹以外の法定相続人の遺留分を侵害した場合は侵害された相続人が民法で定める一定割合の遺留分の請求を求めてくることがあります。
したがって、遺言を書く場合には遺留分権利者に配慮して配分を調整しないと遺言書が争いの火種となってしまうケースもあるため、注意しましょう。
なお、遺留分の権利にも時効があり、遺留分権利者が相続の開始及び減殺請求すべき贈与または遺贈があったことを知ってから1年もしくは相続開始から10年経過すると時効によって消滅することになります。

自筆証書遺言のまとめ

自筆証書遺言は簡単に作成できる反面、注意しなければならない点も多く相続発生後に検認手続きが必要のため家庭裁判所から法定相続人に通知がいくため内容が知られてしまい争いとなるリスクも高くなるため、ケースによっては公正証書で遺言作成を検討した方がより良いケースもあるため、専門家などに相談のうえ、残された相続人がより円満となるように間違いない方法を選択されることをお勧めします。

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