遺言等により相続した場合の効力等に関する見直しについて

司法書士山本宣行のコラムです。
ご相談者の皆さまが疑問に思われるような法律手続きのお話しや普段聞き慣れない法律用語など身近な法律問題を取り上げて解説致します。

相続法制の見直しについて

相続法制の見直しについて平成30年7月13日に「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)」が公布されました。
公布されたといっても直ちに効力が発生する訳ではなく、実際の法律の施行期日としては、段階的になっており「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」は公布日から起算して1年を超えない範囲内(2019年7月12日まで)において政令で定める日とされております。
相続法の見直しは、昭和55年の改正以来となり一般市民や実務に与える影響も大きなものとなりますが本コラムでは「相続の効力等に関する見直し」の改正内容についてポイントを説明をしていきたいと思います。

遺言による財産処分の方法ついて

現行法では遺言について、いくつか財産処分の方法がありますが主な処分方法として下記に挙げてみたいと思います。
「相続分の指定・委託」
相続分の指定・委託は故人が生前に財産に関して割合的に指定することや特定財産に関して特定の相続人に指定することや、これらをあわせて指定することも可能で、さらに第三者に指定の委託をすることも可能です。
ちなみに相続分の指定のなかった財産に関しては基本的に法定相続分や遺産分割によって相続することになります。
「遺産分割方法の指定」
遺産分割方法の指定は、相続人間の遺産分割協議方法を故人が生前に遺言で指定することにより、遺言の指定方法の定めに従い行わせることが可能です。
※仮に遺言執行者が存在しない場合には共同相続人全員の同意のもと遺産分割方法の指定と異なる遺産分割協議を成立させることは可能とされています。
(参考 東京地判 平成13・6・28判タ1086・279)
「遺贈」
遺贈は、故人が生前に遺言により財産を他人に無償で与える処分行為となり特定遺贈と包括遺贈があります。
特定遺贈の例としては「被相続人Aの一切の財産を甲に遺贈する」というように財産全体の全部又は一定割合部分を対象として行う遺贈となります。

相続の効力等に関する見直しのポイント

遺言による財産処分の方法については前述しましたが、現行法では財産を取得する者と相続債権者やその他第三者との関係ではどのような法的効果が生じるのか民法の規定上明確ではありません。
また遺言は故人が生前に行う単独行為の意思表示であるため、遺言内容は第三者に把握しにくいことから取引上の安全を害し登記制度や強制執行制度の信頼を害するおそれもあるという趣旨から相続法の改正では相続の効力等に関する見直しがされることになりました。
見直しのポイントは以下のようになります。

遺言等で承継された不動産について

(現行制度)
不動産名義変更による登記がなくても、他の相続人の債権者等の第三者に対して権利を主張(対抗)することができるとされています。

(見直し後)
法定相続分を超える部分の遺言の承継については、不動産名義変更による登記を行い対抗要件を備えないと他の相続人の債権者等の第三者に対して権利を主張(対抗)することができなくなります。

(注意ポイント)
従来は相続させる旨等の遺言であれば法定相続分を超える不動産を承継した場合には直ちに不動産名義変更の登記手続きを行わなくても他の相続人の債権者などが相続債務回収のために他の相続人の法定相続分の差押えを遺言で承継した不動産に対し行ってきた場合でも登記の先後に関係なく遺言で承継した相続人が権利を主張出来たわけですが、今回の改正による見直しで法定相続分を超える部分は相続させる旨等の遺言であっても第三者に対抗出来なくなってしまったので今まで以上に不動産名義変更による相続登記を行う重要性が増したというわけです。
※ちなみに不動産だけでなく動産についても登録可能な動産の場合には登録しないと第三者に権利主張が出来なくなるといえます。

まとめ

従来は遺言書を書いて貰えば、遺言者が亡くなっても遺言が手元にあることで安心して相続登記をしばらく放置していてもデメリットとして考える方は少数であったかもしれませんが、見直しにより、今後は相続登記を放置しておくことで場合によっては権利を失ってしまうという大きなリスクが発生する可能性が出てきました。
自分は大丈夫と思っても他の相続人である兄弟姉妹などの生活事情はなかなか把握できないものです。予期せぬ事態を免れるためにも、相続が発生した場合には速やかに相続登記や相続手続きを行えるよう専門家などにご相談されることが重要といえます。

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