遺言書を作成した方がいい人とは

司法書士山本宣行のコラムです。
ご相談者の皆さまが疑問に思われるような法律手続きのお話しや普段聞き慣れない法律用語など身近な法律問題を取り上げて解説致します。

元気なうちこそ遺言書の作成を検討できる

生前元気な時には、遺言書を作成することまでなかなか目がいきません。
病気になってしまった時に作成を検討すればいいのではないかと考えてしまう方も多くいらっしゃることかと思います。
実際、病気になってしまうと病気の症状が思いもよらずに速く進行してしまい、判断能力を失ってしまうことや、病気からくる苦痛などで遺言書の作成を検討するどころではなくなってしまうケースが多くの方に当てはまってしまい時すでに遅しということになりかねません。
当事務所へ相談にいらっしゃる相続人の方の中には、遺言書の作成を生前に故人へ促し相談しながらきちんと行っていれば、相続発生後の費用や手続きが煩雑になり時間もかかることが無くスムースに手続きを進めることが可能だったのにと、ため息混じりに不安を抱えながら手続を行っていかなければならなくなってしまうというケースも少なからずあります。
預貯金や株式、不動産といった相続財産が名義として所有している以上は額の多い少ないに関係無く当然として相続手続きが必要となってしまいます。
相続手続きは基本的には財産の大小で手続きが簡略出来る訳ではありません。
遺言書は相続人同士で発生する争いのリスクの回避や相続手続の負担を軽減出来る有効な手段となります。
もし病気になって慌てて作成しようとしても間に合わない場合もありますので健康で判断がしっかりしているうちに遺言作成の検討をして動いていくことが、ご家族の安心につながります。
本コラムでは具体的にイメージしやすい遺言書を作成した方がよさそうな方の家族構成など典型的な例を挙げてみたいと思いますので、もしご自身やご家族に当てはまりそうな方がいらっしゃれば、できるだけ早めに専門家からアドバイスを求め、遺言書作成の検討をされることをお勧めしたいと思います。

家族構成でみる遺言書を作成すべき人

相続発生後に遺言書がない場合は基本的に故人の出生から死亡までの戸籍を収集し全ての法定相続人で話し合いを行い、遺産分割協議を作成し署名捺印(実印)のうえ全員の印鑑証明書を用意して手続きを行う窓口に提出しなければならなくなります。
代表して相続の手続きを行っていく相続人にとっては大きな負担となり悩みの種となってしまいます。
では、実際に家族構成を下記にあげて遺言書を作成しなかった場合の具体的なリスクなどを検討してみましょう。

☑子供のいない夫婦若しくは子供がいたが先に亡くなってしまった

検討事項
このような家族構成の場合には配偶者と自分自身の両親もしくは兄弟姉妹などとの関係をまず検討してみてください。
まず両親もしくは兄弟姉妹などに疎遠になって連絡が取れなくなっている人や認知となり遺産分割協議が出来なくなってしまっている人などはいないでしょうか。

相続手続上のリスクとなるポイント
相続財産を配偶者へ全て相続させる旨の遺言書を作成しておけば、配偶者単独で預貯金などの解約手続や不動産の名変更登記などを行うことができますが、遺言書が無い場合には、例え関係が良好であっても被相続人の両親が死亡している場合には被相続人以外にも被相続人の両親それぞれの出生から死亡までの戸籍を集めて兄弟姉妹を確定させることや遺産分割書に全員の署名捺印(実印)や印鑑証明書の提出をお願いして相続手続きに協力をして貰うのは残された配偶者にとって非常に大きな負担となります。
戸籍を収集調査しているうちに腹違いなどの会ったこともないような兄弟姉妹の相続人が判明してしまう場合もあります。
このような場合でも住所を調査して手紙を送るなどしながら協力要請のコンタクトを取り、遺産分割協議をまとめなければ預貯金の解約手続には窓口で応じて貰えません。
亡くなった配偶者の預金口座をメインとして生計を営んでいたような場合には相続手続きに時間がかかってしまうことで大きなリスクとなってしまいます。

☑未成年の子供がいる

検討事項
このような家族構成の方はいっけんすると万が一自分が亡くなっても配偶者が幼い子供を今後も養っていくわけだから遺言書を書かなくても当然配偶者へ全ての財産が承継され相続手続きも配偶者単独で行っていけるだろうと考えてしまいがちですが、実際はそうではありません。

相続手続上のリスクとなるポイント
団信に加入し住宅ローンの付いた返済中の不動産や預貯金、株式などは遺言書が無い場合は遺産分割協議書の作成が必要となりますが、未成年者の子供の場合には判断能力が不十分とされるため、未成年者を法律で保護する趣旨から別途、家庭裁判所へ特別代理人の選任申立てを行わなければならなくなってしまいます。
特別代理人が選任されると未成年者に代わって遺産分割協議書に署名捺印(実印)し印鑑証明書を提出していくことになります。
ここで注意すべきポイントは上記の選任申立ての手続の煩雑さよりも、未成年者に対し法定相続分若しくは法定相続分に相当する金銭を分配する内容の遺産分割にしないと特別代理人の選任審判が家庭裁判所から基本的にはおりないということに問題があります。
残された配偶者は未成年者である子供の今後の生活費や学費などの費用を捻出していかなければなりませんし、相続財産として居住用の不動産がある場合に売却しないで住み続けていく場合でも不動産の持分や評価額の法定相続分を分配して未成年者が成人になるまでプールしておくことは生活に大きな負担がかかってしまうと考えられるからです。
このような場合に遺言書があれば特別代理人の選任も不要となり残された配偶者が全ての財産を単独の手続きでスムースに進め取得していくことが可能となります。

☑内縁の妻または夫がいる

検討事項
内縁関係にある場合は残念ながら法律上の夫婦とはなっておりません。
何十年一緒に暮らしても法律上の権利が発生しないため基本的には遺産に関する手続きは何も出来ないということになります。


相続手続上のリスクとなるポイント
疎遠の相続人がいる場合には連絡をとって相続人に任せるしかありません。
連絡先が不明な場合には、利害関係人としての立場で家庭裁判所へ財産管理人の申立てを検討していかなければならなくなるおそれもあります。
相続人がいない場合には内縁として訴えることも可能ですが時間や多額の費用も発生し負担が大きくなりますし財産を取得できない可能性も大きくなります。

まとめ

遺言書を作成した場合でも他の相続人から遺留分は請求される可能性がありますが、少なくとも本コラムで事例として挙げました家族構成の場合には遺言を作成することで相続手続きを行ううえでは極めて有効な手段となり負担や悩み不安の軽減につながることがお分かり頂けたかと思います。
遺言を作成する場合でも作成上の文言や自筆作成もしくは公証役場での作成どちらで残しておくかなどご自身で検討するには悩ましい部分もあるかと思いますので専門家に相談しながら、少しでも多くの方が後悔なく残されるご家族を守っていけることを願います。 

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相続手続きは多くの方の人生にとって数回あるかないかの手続きかと思います。
故人に対する悲しみも消えない中で手続の窓口に行くと専門的な用語や慣れない煩雑な手続で肉体的にも精神的にもさらに負担がかかってしまいます。
当事務所では、慣れない遺言作成はもちろんのこと相続手続き全般と幅広く対応しており相続人皆さまの負担を少しでも軽くなるよう、初回無料相談を設けておりますのでお気軽にご利用下さい。

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