任意後見契約発行後の任意後見人による不動産の処分について

司法書士山本宣行のコラムです。
ご相談者の皆さまが疑問に思われるような法律手続きのお話しや普段聞き慣れない法律用語など身近な法律問題を取り上げて解説致します。

任意後見人による不動産の売却や不動産の名義変更について

任意後見契約は、本人の判断能力がしっかりしているうちに、将来に不安を感じて判断能力が低下した段階であらかじめ信頼のおける家族や親族等に財産の管理等を委任する契約です。
公正証書で任意後見契約を結ぶと契約を行ったことについては公証人が法務局に嘱託して登記がなされます。
任意後見契約において本人からの代理権付与の対象となる事務の中に本人名義の不動産の売却や不動産登記手続が含まれている場合があります。
任意後見の契約締結後に本人の判断能力が低下した段階で任意後見受任者が家庭裁判所に申立てをして任意後見監督人が選任されることによってその効力が発生しあらかじめ本人から委託された不動産の売却や不動産登記手続を任意後見人が行うことになります。
任意後見人就任後の本人名義の不動産処分について押さえておくべきポイントなどを説明させて頂きます。

本人名義の不動産を売却するにあたって

そもそも任意後見人が本人名義の不動産を売却する代理権限が与えられている場合であっても、やみくもに売却してしまうことは本人の利益を害することにつながります。
したがって本人名義の不動産を売却処分する目的としては、施設入所費用や医療費を捻出するため等の本人の今後の生活を営んでいく上でやむを得ないしかるべき理由があった場合に任意後見人として本人のために代理権を行使していくべきと考えられます。
任意後見人として善管注意義務の観点から本人に不利益を生じさせないため、本人名義の不動産の売却にあたり任意後見人としては以下の注意が必要となります。

◎複数の不動産業者に対して不動産売却価格の見積書の作成依頼を行い、少しでも高額で有利な条件で売却出来るように努めるべきと考えられます。
◎知人等へ一般的な不動産売買価格より安い価格で売買契約を締結したり、任意後見人の親族等を買主として売買契約を行い利益相反行為にならないよう注意する必要があります。

居住用不動産を処分するにあたって法定後見との比較

法定後見の場合には、居住用不動産を処分するにあたっては家庭裁判所の許可が条件として必要となります。(参考 民法859条の3)
いっぽう任意後見の場合には、上記のような法律が無いため本人名義の居住用不動産を売却処分するにあたって家庭裁判所の許可は不要となります。
任意後見人に与えられた代理目録として居住用不動産を売却処分にあたって任意後見監督人の同意を特に必要としていない場合には後見監督人の許可なく不動産処分することも可能です。

注意ポイント
任意後見監督人の同意を特に必要としていない場合においても任意後見人としては本人の生活や身上に重大な影響を与えてしまう点や不動産の資産価値の高さを考慮して慎重に任意後見監督人と十分な相談・協議をしながら不動産売却手続を進めていく手順をとっていく必要があります。

不動産名義変更による登記申請の際に提出する書類について

任意後見人が本人名義の不動産を処分する場合には、管轄法務局へ不動産登記の申請手続を行うことになります。
任意後見人が売主である本人の代理人となって登記申請に必要な書類を不動産売買に立ち会う司法書士等の専門家へ提出することになります。
不動産売買の登記申請に必要となる一般的な書類としては下記となります。
売主となる任意後見人が用意する一般的な書類
・被後見人が登記名義を取得した際に交付又は通知を受けた登記済証又は登記識別情報
・任意後見人の代理権限を証する後見登記事項証明書
・登記義務者となる任意後見人の三か月以内の市区町村長の作成した印鑑証明書
 ※被後見人の印鑑証明書が必要との事例もあるようなので事前に管轄の法務局で後見登記事項証明書を持参する等のうえ確認されることをお勧め致します。
・登録免許税を計算するための固定資産の評価証明書
・登記簿上の住所と現住所がつながらない場合には被後見人の住民票などの住所証明情報
※上記の他に司法書士への委任状や司法書士作成の押印書面があります。
買主が用意する一般的な書類
・市区町村が作成した登記名義人となる買主の住民票などの住所証明情報
・住宅ローン等の融資を受ける場合は三か月以内の市区町村長の作成した印鑑証明書
※上記の他に司法書士への委任状や司法書士作成の押印書面があります。

初回無料相談のあおば法務司法書士事務所にご相談下さい

相続手続きは多くの方の人生にとって数回あるかないかの手続きかと思います。
故人に対する悲しみも消えない中で手続の窓口に行くと専門的な用語や慣れない煩雑な手続で肉体的にも精神的にもさらに負担がかかってしまいます。
当事務所では、慣れない認知症対策はもちろんのこと相続手続き全般と幅広く対応しており相続人皆さまの負担を少しでも軽くなるよう、初回無料相談を設けておりますのでお気軽にご利用下さい。

その他の関連コラムはこちら

認知症(成年後見)のご相談はこちら

関連相続手続き

相続放棄

相続放棄のお手続きについてはこちらから

遺言書作成

公正証書遺言作成サポートについてはこちらから

不動産名義変更手続

不動産、土地、家屋、マンションの相続登記、相続不動産の名義変更はこちらから

認知症対策

家族信託のお手続き、後見申し立て、任意後見手続きのご相談はこちらから

あおばの相続3つの安心

  • 無料で相談しやすい
    新規のお客様はご予約で夜間・土日・祝日相談可、出張も可
  • 何度でも相談可
    正式なご依頼前に来所していただける場合は何度でも無料相談可
  • 明確な費用
    安心してご依頼いただけるよう明確な費用体系で丁寧なご説明をします

無料相談申込

まずはお電話かメールでご連絡ください。

相談受付:045-530-9281(平日9:00~20:00)

完全予約制。ご予約で以下の対応が可能です。

夜間相談・当日相談・土日祝日相談・出張相談(地元の方向け)

平日 18 時以降・土日祝日はメールフォームでご連絡いただけるとスムーズです。
ご連絡いただければ原則翌日(土日祝の場合翌営業日)の午前中にご返信いたします。

無料相談申込

相談予約受付時間平日9:00~20:00

045-530-9281

完全予約制 ご予約で以下の対応が可能です

夜間相談・当日相談・土日祝日相談・出張相談(地元の方向け)

無料相談は面談での相談になります。電話相談やメール相談は受け付けておりませんので予めご了承ください。
主なお客様対応エリア
横浜市、大和市、町田市、川崎市、座間市、海老名市を中心にサポートしております。その他のエリアのお客様もお気軽にご相談ください。

当事務所までの交通アクセス

中央林間駅から青葉台駅まで電車で 8 分程度/大和市役所から当所まで車で 14分程度/町田市役所から当所まで車で22 分程度/座間市役所から当所まで車で 22 分程度/海老名市役所から当所まで車で 26 分程度/中山駅から青葉台駅まで電車で 14 分程度/宮前平駅から青葉台駅まで電車で 17 分程度/柿生駅から当所まで車で 16 分程度/若葉台団地からバスで来所する場合の時間約 23 分(つつじが丘バス停まで 20 分、徒歩 3 分)

パンフレットダウンロード

ご両親や周りに相続でお困りの方がいらっしゃったらお渡しください。