遺産分割で協議した代償金の支払いが行われない場合

ご相談者の皆さまが疑問に思われるような法律手続きのお話しや普段聞き慣れない法律用語など身近な法律問題を取り上げて解説致します。

遺産分割協議で決めた代償金の支払い

故人亡き後に遺言書が残されていない場合には、具体的に相続人全員で財産をどのように分けるのか具体的に話し合いのうえ遺産分割協議書を作成していきます。
遺産の分割方法にはいくつか方法がありますが、遺産となる土地や建物などの現物分割で財産価値が不公平になってしまうケースでは、相続人同士が納得しないため、便宜法定相続分を超える不動産等の財産を一部の相続人に取得させたうえで他の相続人に対して金銭による代償金の支払い等を負担する分割方法を行う場合があります。
このような遺産分割協議の方法を代償分割といいます。
遺産となる預貯金が多くあれば代償金の調整も行いやすいですが、遺された預貯金・現金が少ないと代償金債務を負担する相続人にとって、自己の財産から出損することになるためある程度の資力が必要となります。
このように、代償金の分配が行われることを条件に合意し遺産分割協議書に署名捺印(実印)を行ったものの、その代償金がいつまで経ってもいっこうに支払われないケースではどのように対応していけばいいのでしょうか。
代償金の支払いを催促してもいっこうに支払われず話し合いの余地がなくなってしまうような場合にどのような手段があるのか方法を説明をしていきたいと思います。

代償金の支払いが履行されない場合に遺産分割協議は解除可能か

遺産を多く取得した相続人による代償金の支払いが履行されない場合でも判例によると遺産分割協議を債務不履行解除することはできないとされています。
判例の大まかな考え方としては遺産分割協議自体は既に終了しているため、終了後には債務を負担した者(代償金を支払う者)と債権を取得した者(代償金の分配を受ける者)との間の関係が残るだけで、一部の者の債務不履行のみで遺産分割協議全体を解除できるとするのは相当でないとしているからです。
(参考 最判平元年・2・9民集43・2・1、判時1308・118)

遺産分割協議後に代償金がいっこうに支払われない場合には

遺産分割の協議で代償分割を行うポイントとしては、ハンコを押す前にまずは代償金の支払いに関して支払う相続人の経済事情を事前に確認し状況に応じて期限の猶予や分割払いも可能か否かなど相続人同士で話し合いのうえ、取り決めておくことや場合によっては分配と遺産分割協議書類への署名捺印を同時履行で行うなどの対応が将来的に兄弟姉妹などの相続人で揉めないために必要かと思われます。
但し、取り決めが行われたとしても代償金がいつまで経ってもいっこうに支払われないケースもあり催促しても話し合いにもならずらちがあかないといった場合に下記のような手続を行うことになります。

紛争調整調停による方法

原則として代償金を支払わない相続人の住所地を管轄する家庭裁判所へ遺産分割協議書の写しは身分関係の資料を提出して申立ての手続きを行います。
申立ての理由の記載では被相続人の死亡の事実や遺産分割協議の中で代償金を支払う旨の定めがあることや、催促しても支払われない旨を実情として盛り込む必要があります。

〇調停不成立の場合
調停を行ってみたものの、お互いの納得が得られない場合には調停不成立となり事件は終了することになります。
したがって、申立人としてはさらに代償金支払請求の訴えによる訴訟を提起して、代償金の支払い請求を行うことになります。

調停が成立したものの代償金が支払われない場合
調停が成立したものの、代償金がいっこうに支払われない場合もあります。
このような場合、合意内容を調書に記載され確定判決と同一の効力を持つことになります。
つまり、執行力などが生まれるため相手方の財産に強制執行を行うことやその他にも家庭裁判所から履行状況を調査して支払い義務者へ履行を催告するよう履行勧告の申出や家庭裁判所から義務の履行を命じて従わない場合に過料の制裁を決定してもらう履行命令の申立ても可能になります。

まとめ

以上、遺産分割協議で代償分割を行った場合に相続人が代償金を支払わない場合の調停による方法を説明しましたが、相続人間で紛争となり話し合いが出来ない場合の調停や審判に関しても基本的には当事者の主張や意向の確認を行い支払い方法を決めていくことになると考えられます。
このような調停や訴訟を前提とした手続きになる場合には精神的な負担や時間労力など計り知れないものとなりますので、調停や訴訟代理人となって貰える相続を専門とする弁護士に相談のうえ、アドバイスに従いながら進めていくことをお勧め致します。

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